ソックスの秘密
Column 2
平素より慶早戦支援委員会のWebサイトをご覧いただき、ありがとうございます。
前回のEpisode7では1970年代の六大学野球についてお伝えしました。
今回のコラムでは、選手が履いているソックスの秘密についてご紹介します。
各校のソックスを見て頂くと、早大はえんじ色を、東大は水色を、とそれぞれスクールカラーのソックスを履いています。拠って塾野球部の選手は写真の通り、ネイビーベースに赤の帯が入ったソックスを着用していますね。
今回注目したいのは、赤い部分に入る2本の白線。この白線、無意味に入れられているわけではないのです!いったいこの白線は何を意味しているのでしょうか...?
答えは「これまで塾野球部が達成した全勝優勝の回数」なんです...!!
100年近くになる六大学野球の歴史において、全勝優勝を達成できたのは全校合わせても僅か7回。1シーズンで全てのチームから勝ち点を奪う「完全優勝」も非常に難しいものですが、それ以上に達成が困難なものということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
塾野球部が初めて全勝優勝を達成したのは1928年の秋季リーグ。当時の甲子園のスターを要した塾野球部は10連勝を達成し、六大学野球史上初の全勝優勝を成し遂げました。この優勝を機に、ソックスの白いラインを全勝優勝の度に入れることとしたのですが、2本目のラインを加えるのに半世紀以上を要することとなります。
優勝から大きく遠ざかった80年代、快進撃は突如として訪れます。前回のEpisodeでお伝えした復調のきっかけ、それはこの快挙のことだったのです。13年間賜杯から遠のいていた塾野球部は85年秋、投打が見事に噛み合い、勝ち星を積み上げて行きます。明大に1引き分けを挟みますが、慶早戦にも連勝。10勝1分で久々の優勝を全勝優勝としました!こうして2本目のラインをソックスに刻むことができ、今のデザインに至っているのです。
そして3本目のライン。2019年秋季にはあと1勝で全勝優勝というところまで辿り着きましたが、惜しくも早大に敗戦。このシーズンは完全優勝も逃すこととなり、辛酸をなめることになりました。
コロナ禍が訪れ、ようやく以前のリーグ戦の形式に戻った2022年春季。3本目のラインを加える土台は十分に整っています。各校実力者を要する今、全勝優勝を成し遂げることは決して簡単なことではありませんが、関係者、塾員、塾生の悲願であることに疑いはありません。優勝のその先に、快挙が待っています。皆さまも是非、記録に注目してみてください!
ちなみに...
2020年秋季、早大は7勝3分という成績で無敗優勝を達成しています。早川投手(現 東北楽天ゴールデンイーグルス)を擁した早大は、優勝の懸かった慶早戦でも劇的な勝利を挙げ、賜杯を掴みました。感染拡大防止のため、3回戦が行われない規則上、全勝の公式記録として残されることはありませんでしたが、当時の早大の勢いと強さを強く感じたシーズンでありました。