掴みきれなかった3連覇
Episode 9
平素より慶早戦支援委員会のWebサイトをご利用いただき、ありがとうございます。
前回のEpisode8では斎藤佑樹氏の早大時代についてご紹介致しました。
今回のEpisode9では、2018年秋季の慶早戦終盤に起こった劇的なドラマについてご紹介致します。
2017年秋季、2018年春季と連覇を達成し、1972年以来の3連覇に向け秋季に臨んだ塾野球部。しかし多くの難敵が立ちはだかります。特に対法大3回戦は乱打戦となり、延長12回に代打サヨナラHRで勝利する死闘でした。最終週を前に、慶早戦で勝ち点を奪えば優勝&3連覇という状況としていました。
初戦、当時3年の高橋佑樹投手(現 東京ガス)の好投が光り早大打線を1点に封じます。打線は繋ぐ野球で、早大のエース小島投手(現 千葉ロッテマリーンズ)を攻略し、3点を奪いました。投打が噛み合い白星を挙げ、快挙に向けて大きく近づきます。
しかし慶早戦での勝ち点は簡単に掴めるものではありません。第2戦、中継ぎ陣が早大打線に捕まり、5点を奪われるビッグイニングをつくられます。打線もチャンスで一本が出ず、終盤の追い上げも及ばないまま敗戦、前日はエース小島投手を攻略しただけに悔しさが残る一戦となりました。
何としても勝利が必要とされた第3戦、終盤に思わぬドラマが待っていました。慶應は4番を務める郡司選手(現 中日ドラゴンズ)のHRなどで先制し、8回裏終了時で1点リード、アウトを3つとれば優勝というところまで持ち込みます。そして9回のマウンドも先発、高橋佑樹投手に託しますが、早大打線の粘りが勝ることとなってしまいます。連打と犠牲フライで同点に、そして痛恨のタイムリーヒットを許し、逆転を許すこととなったのでした。球場の雰囲気は一変、早大ベンチは大きく盛り上がりました。再逆転、サヨナラ勝利を目指した塾野球部でしたが、3人で抑えられてしまい万事休す、掴みかけた3連覇を目の前で逃してしまうことになりました。
結果的に勝率の関係で法大が12シーズンぶりの優勝、下級生を中心としたチームであった塾野球部はこの悔しさを糧に成長を続け、優勝を掴みとっていくことになります。
様々なドラマが待ち受ける慶早戦。お互いの意地がぶつかり合う最終週の戦いは、思いもよらぬ形で終わりを告げることもしばしばあります。次回のEpisode10では、2020年秋季リーグ戦、土壇場での一発に泣いた一戦についてお伝えします。